掛取引(かけとりひき)・手形取引

商品売買では現金以外でも取引をすることがあります。掛取引や手形がこれにあたります。

かけ? てがた?

掛というのは後日お金を支払う口約束のことです。
手形というのは掛取引よりも信頼性が高い証券のことです。紙であったり、最近では電子媒体で存在しています。

代金を受け取る権利や支払う義務を総称して次のように呼びます。
債権=代金を受け取る権利
債務=代金を支払う義務

まぁ口で説明するより実際に仕訳を見た方が早いね。
例:商品10,000円を掛で売り上げた。
仕訳
資産の増加→(売掛金)10,000 / (売上)10,000←収益の増加
例:商品10,000円を掛で仕入れた。
仕訳
費用の増加→(仕入)10,000 / (買掛金)10,000←負債の増加
例:商品10,000円を売り上げ、手形を受取った。
仕訳
資産の増加→(受取手形)10,000 / (売上)10,000←収益の増加
例:商品10,000円を仕入れ、手形を振り出した。
仕訳
費用の増加→(仕入)10,000 / (支払手形)10,000←負債の増加

こんな感じで使う勘定は 売掛金・買掛金・受取手形・支払手形 の4種類が基本になります。

なんか単純な名前だね。
このページの勘定科目
資産:売掛金(うりかけきん)、受取手形(うけとりてがた)
負債:買掛金(かいかけきん)、支払手形(しはらいてがた)

これら債権債務は最終的に現金と交換されます。決済は次のようになります。
例:売掛金10,000円を回収した。
資産の増加→(現金)10,000 / (売掛金)10,000←資産の減少
例:買掛金10,000円の支払いをした。
負債の減少→(買掛金)10,000 / (現金)10,000←資産の減少
例:受取手形10,000円を取り立てた。
資産の増加→(現金)10,000 / (受取手形)10,000←資産の減少
例:支払手形10,000円の支払いをした。
負債の減少→(支払手形)10,000 / (現金)10,000←資産の減少
日商簿記3級 掛取引 大体基本的な仕訳はこんなところだね。
結局のところ、現金の代わりに一時的に使うのが、掛であり手形だってことです。
日商簿記3級 掛取引 なるほど。これは割と簡単だったような気がする。
でも、なんでわざわざこんな取引をするの?現金で取引した方が簡単なんじゃ?
日商簿記3級 値引・返品 確かに現金で取引した方が有利なことも多いね。
債権のように貸倒れる(返してもらえない)心配がないという点でも現金は強いね。
でも掛取引を行うことで、現在持っている資金以上の取引をすることが可能になるんだ。
それに現金を管理するにも何かと費用がかかってしまう。
だから信用できる会社相手であれば掛取引・信用取引を行うが一般的だね。