日商簿記3級って?

『個人企業における経理担当者または経理補助者として必要な商業簿記に関する知識を有しており、かつ簡易な実務処理ができる』レベルに達しているとされます。

日商簿記検定3級の出題範囲は商業簿記に限定されています。商業簿記とは、商品を仕入れて販売する商売で使われる簿記です。
日商簿記3級の内容
日程:6月中旬、11月中旬、2月末
受験料:2,850円(税込)
受験者数:約8万人(一回の試験に実際に受けた人)
合格率:37%
難易度:本気でやれば独学で2週間で合格レベルまで到達できるはず。

本気というのは『自由時間の全てを注ぐ』という意味です。
平日で一日4時間、休日で10時間、2週間で80時間。
この時間配分はあくまで目安ですが、学生の方だったらもっと余裕があるかもしれませんね。
勉強方法は書店に並んでいるテキストと問題集で十分です。専門学校だと1万円以上かかりますが、市販のテキスト+問題集なら2千円程度。だんぜん安い!独学でOK!

専門学校を利用するならこんな感じみたいですね。
参考:専門学校などの日商簿記3級合格講座の料金(19年12月現在)
■TAC:25,400円~(Web通信講座)、29,900円~(教室講座)
■資格の大原:24,500円~(Web通信講座)、29,800円(教室講座)
■LEC:11,500円
■ユーキャン:39,000円(通信講座)
日商簿記3級の勉強時間

通信学習のユーキャンの時間を目安にするとユーキャンでは1日1時間で15週間と紹介しています。15週間×7日間/週×1時間=105時間。

私の体験から言えば、もう少し多めにとって120時間です。
ユーキャンと違って、書店で1,000円くらいの本を買ってきて独学で学ぶことを想定しているので、ちょっと多めに時間をとります。

10日間で合格するってフレーズのテキストが売られていたけれど、本当に10日間の勉強で合格レベルに達するものなの?

正直10日というのはかなり厳しい数字だと思います。それこそ一日中(10時間以上?)簿記の勉強をして、それで10日間だと思います。無理ではないけれどお勧めできないハードさでしょうね。

少し試算してみましょう。
私の考える人間の1日の活動可能時間(睡眠・食事・風呂・休憩などを除いた、集中力を持続できる時間)は大体14時間です。
これを全て簿記の勉強に当てれば10日間で140時間の勉強を達成できます。だから可能といえば可能ですが、現実的ではないですね。

そうだね。そんなに時間取れないよ。

そんなわけで仕事や学校がある一般的な人を対象とした場合、平日に2時間、休日に5時間くらいが適切な時間配分ではないでしょうか。
(仕事内容によっては2時間も勉強時間を捻出できないかもしれません。そんなときは休日に多めに勉強しましょう)
時間の配分2時間×5日間+5時間×2日間=20時間/週

一週間で20時間を確保できます。これは現実的な数字ですね。これなら120時間÷20時間/週=6週間。1ヶ月ちょっとで簿記3級合格レベルに到達できます。

もし短期決戦を望むのであれば休日に10時間以上勉強しましょう。
この場合「2時間×5日間+10時間×2日間=30時間/週」
「120時間÷30時間/週=4週間」一ヶ月以内で達成可能です。
日商簿記3級の難易度
日商簿記3級の概要(過去22回分の平均で算出)
受験率:78.5%(申し込みをして実際に受験する人の割合)
合格率:37%
合格基準:70%
本試験時間:2時間
受験者数:約8万人(実際に受ける人)
受験日:6月、11月、2月(年3回)
受験料:2,500円
主催:商工会議所

数ある資格試験の中でも簡単な部類だと思います。やることをやっていれば誰でも合格できます。

でも合格率37%だよね・・・。結構難しくない?

まぁ難易度というのは個人の感覚によるところが大きいので、誰に対しても「日商簿記3級なんて簡単」と言い切ることはできません。

ですが、学習量に関しては少ないと断言できます!
量の多寡も個人によって感覚に差があるのですが・・・。

ちょっと大げさに比較対象として同じ会計系の公認会計士試験を例にあげましょう。公認会計士試験は国家試験の中でTOP3に入る難易度だと言われています。ごくまれに1年間で合格してしまう人がいますが、多くの人は2~5年の勉強期間を費やしています。しかもその内容は濃い。
受験生は一日の大半を試験勉強に当てているはずです。
この人たちのペースで勉強すれば簿記3級はおそらく2週間かからないでしょう。2~5年間と2週間。どうでしょうか。こう考えると簿記3級がいかに楽チンかが分かっていただけると思います。
別に禁欲生活を強いられるわけでもありません。日ごろの暇な時間を勉強に当てればいいだけです。
日商簿記3級で学ぶことは仕訳

日商簿記3級で学ぶことの多くは仕訳(しわけ)です。仕訳というのは、お金の動きを記録する独特な記帳方法のことを指します。
例えば、広告費に現金10,000円を支払った場合、次の仕訳になります。
仕訳
広告宣伝費 10,000 / 現金 10,000

こういった記述法を学ぶのです。
簿記は帳簿に記録する技術なので、簿記の初級とも言える簿記3級の学習では、まず仕訳の概念を理解させようとしていると思います。
この仕訳の考え方が根底に形成されることで、簿記2級、簿記1級の学習へとつながっていきます。
仕訳の意味が分からないままで、より高度な学習をしようとしても絶対に無理です。
日商簿記3級の学習範囲

日商簿記3級では商業簿記が出題されます。簡単に言うと商品を仕入れて、それを他へ売却する商売を対象としています。
八百屋さんなんて典型ですよね。

八百屋さんか~。

単純そうな商売ではありますが、ビジネスをする上で避けては通れない様々な取引を勉強します。
例えば、商品を仕入れたときの処理はどうするか、商品を売り上げたときはどうするか。
仕事に使う車を購入したらどうするか。
商品を売って後払いの約束をしたけれど、それが将来払ってもらえない可能性がある場合どうするか、などなど。
3級とはいえ新しい概念に出会うことになります。
そして新しい専門用語がたくさん出てきます。
それなりに苦労すると思います。
日商簿記3級の勉強に使える教材

簿記3級は市販の教材での独学で十分対応可能!
色々な会社が教材を作成しているので、書店へ行って分かりやすそうなのを選びましょう。
テキスト1冊と問題集1冊という組み合わせが一般的です。2冊で大体2000円前後で済みます。

内容を入力してください。

テキスト→問題集の勉強が一通り終わったら、今度は問題集だけを解いていきましょう。
解けなかったらその都度テキストで復習をします。
これを繰り返して、問題集をほとんど完璧にできるようになるまで解きまくりましょう。
後は過去問(大体10回分くらい)を最低2回解けば、日商簿記3級合格レベルに到達しているはずです。