(11)簿記の1年間の流れ

簿記入門講座

簿記の一年の流れ

さて超初心者向け簿記入門講座のまとめをしようか。

一般的な簿記は複式簿記のことを指し、取引ごとに仕訳を行う必要があるんでしたね。そして仕訳では借方、貸方に勘定科目と金額を記入していく。そうして蓄積された帳簿を元に会社の成績表である財務諸表を作る。図で表すと下のようになります。

取引を仕訳帳で仕訳し、総勘定元帳の各勘定へ転記し、期末に決算(一定の会計期間の収支の総計算、まとめですね)を行って財務諸表を作成する。この一連の流れを毎年繰り返します。この流れのことを簿記一巡の手続きと呼びます。

へ~、これが企業会計の骨になるんだね。ところで思ったんだけど、取引があった後に仕訳をきって、元帳に転記するってどんな意味があるの?

うん、その説明がまだでしたね。なぜわざわざ「仕訳帳」「元帳」2段階の流れを経ているのかの理由は正確な会計帳簿を作成するためです。
せっかく取引を記録していっても間違った情報を記入してたら意味がないですから。

仕訳帳は歴史的記録の保有のための帳簿です。取引が発生した順に全て記録していき、 一旦ここを経由することで全ての情報を保管しておきます。

元帳は分析的記録の保有のための帳簿です。 勘定別に整理・集計するために用いられます。最終的に財務諸表を作成するために用いる分析ツールといったところでしょうか。

仕訳帳から元帳への転記は昔は手書きで行っていたのでしょうが、パソコンが普及した現代では会計ソフトが自動的に行ってくれます。とは言え、簿記の試験では自分で処理をしなければいけませんが。

試験的にはそうなんだろうね。

ちなみに日商簿記3級、2級の勉強を進める上で学ぶのは主に仕訳です。経済的価値に変動があるとどういった処理をするのかを学びます。日商簿記1級では何故そういう処理をするのか、といった背景にある理論も学びます。1級は管理者レベル(他の人が作成した帳簿などを見て間違いを正すことができる知識)が要求されます。

仕訳が肉で、簿記一巡の手続きが骨、みたいな感じですね。とりあえず、初心者向け簿記入門講座はここで終了です。お疲れさまでした。続きは具体的な仕訳方法や細かい勘定科目を学んでいくことになります。

 

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