単式簿記と複式簿記って?

それでは単式簿記と複式簿記の説明をしましょう。まず単式と複式って名前から連想できるように単式は1つ、複式は2つ以上と考えたらいいでしょう。

なにが?

例えば単式簿記と複式簿記で一つの取引を比較してみましょう。
◆単式簿記の場合
◆複式簿記の場合
1)仕訳帳(しわけちょう)に仕訳を書き
*仕訳帳とは仕訳(後で説明します)を記す帳簿です。
↓
2)総勘定元帳(そうかんじょうもとちょう)に転記します。
*総勘定元帳とは以下のように項目ごとに取引をまとめた、でっかい分厚い帳簿です。

違い、分かるかい?

複式の方がなんか、書くことが多いね。始めによく分からないもの書いてるし。

そうだね。複式の始めに書いたのは『仕訳(しわけ)』といって、取引を示しているんだ。取引があるたびに、必ずこれは書かなければいけません。お金の出入の内容を示している、と言ったらいいかな?

最初に言ったとおり、単式では帳簿に一つ(携帯電話代)だけ書いて、複式では二つ(携帯電話代、現金)書いてるでしょ。

ああ、本当だね。でもなんで? たくさん書いて面倒じゃないの?

そうだね。でもこうした方が後々管理しやすいんだ。会社が取り扱うお金に関する情報は膨大だからね。その管理のしやすさから複式簿記が採用されています。
複式簿記にはルールがある

家計簿の書き方に決まりはありません。自分が理解できればいいのだから、好き勝手に書いていいんです。他の人に家計簿を見せて理解してもらう必要はありませんから。

そりゃあ他人に家計簿なんて見せないよ。

一方、会社で使う帳簿は他の人が理解できなくてはいけません。会社の帳簿は多くの人に見られるからです。

多くの人に見られるの?

上場している会社であれば、投資家などが会社の成績表を見ることになります。非上場であっても税務調査官など社外の人が見ることがあります。

あ~、株式投資をやっている人は見たりするんだろうね。

もし世の中の会社がそれぞれ独自の方法で帳簿をつけていたらどうでしょう。同じ取引をしているのに、書かれている内容が全然違うわけです。そうなると会社間の比較が難しくなるのです。

比較できないから会社の良し悪しが判断できない?

その通り! だから帳簿の付け方にはルールがあります。つまり簿記を学習するということは、このルールを覚えることだと言えます。

結局暗記か~。

まぁ勉強は多かれ少なかれ暗記が必要なものですよね。
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